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砂漠日記

相撲についての気持ちを中心に

時天空の素晴らしいところ

時天空

 休養に入ってから常々時天空の体調の行方が心配だった。

 先日まで彼の近況がほとんど聞こえてこなかったからだ。

 栃煌山稀勢の里を倒しても、嘉風横綱を倒して館内が盛り上がっても、常に何かが足りない感じがしていた。一味足りないのだ。

 400円くらいするポン酢を使ったあとに、ファミマの自社ブランドのポン酢を買った時のように味気ない!!!!

 どうしようも、あの足技を多用するトリッキーな相撲が見たくて仕方がないのだ。幕内前半戦で常に変わった相撲を取り続ける「けたぐりおじさん」……、時天空慶晃!

 どの力士も「やってくるとはわかっているが食らってしまう」あの鞭のような脚!きっととても絶妙なタイミングをわかっているのだろう。

 

 時天空の相撲の魅力とはなんだろうか。とにかく時天空は素晴らしい力士だと思う。

 まず経歴が驚きである。柔道のオリンピック選手を目指していた青年が、帰国した際には教員になろうと思って日本の農大にやってきて、なんやかんやで角界入りをしたというのが入門の経緯らしい。なんやかんやの部分になにがあったのだ。

 しかも来日数年で卒業論文を日本語で執筆したというインテリジェンス溢れる一面も忘れてはいけない。

 それなのに、これは褒め言葉だが……そういったものを感じさせない相撲だ。

 ある意味でそういった入門までの紆余曲折がトリッキーな取り口につながっているのかもしれない。

 時天空の相撲を見ていて覚える違和感はそういうところだと思う。

 ほかの力士とは違う部分に勝機を見出しているとしか思えない。悪くいえば、ほんとうにこの言い方は悪いのだが、なんとなく無策な感じがする。

 しかしそれを完全に独自な「時天空の相撲」まで昇華させている。

 例えば小結の場所で迎えた横綱日馬富士戦。時天空は立会いですぐけたぐりをしようとしたが、常に相撲に全身全霊な日馬富士にあっさりそれを見切られて強烈に突き離されてしまったりする。

 新入幕力士に立ちはだかる曲者ベテラン力士じゃないんだぞ!横綱に通用しないよ!でもその感じ、好き!ありがとう!時天空!!!!!!!ウオー!!!!

 わたしはそういうところを愛さずにいられないのだ。

 佐田の富士戦での明らかに「まわし解いてるんじゃないの?」的なまわし待ったの連続や、里山に中へ入られたくないあまりにそれだけに集中して距離を取りすぎてしまいがちな点などもそうだ。

 そして横綱の露払いをしているときでも鋭い眼光。常に表情は苦み走っているのだ。

 そういう強面だから冷たい怖い人なのかと思いきや、巡業で写真や赤子の抱っこを求めると気軽に笑顔で応じてくれるというギャップ。

 わたしは写真を頼んだら携帯を奪ってセルフィーをしてくれようとして、しかも「あんた腕短いからダメね」と自らシャッターを切ってくれた。大好き!!!!

 

 いつかは復活してくれると思っていた。当たり前だがファンとして引退は寂しい。

 しかしこれは親方業をできるほど病気が回復しているという証拠でもある。

 時津風部屋正代や小柳などの威勢のいい若手が揃っているから、ぜひ東京農大の先輩として土佐豊と一緒に沢山指導してほしい。

 そして二人が三役などに上がる折には、ぜひ大根踊りを頼む!!